同窓生の活動

本の紹介「野菜たっぷり鈴木さんちの玄米ごはん」 作者:21期 鈴木 真弓(旧姓:原 真弓)

私と玄米との出会いは、12年前にアメリカ人のベジタリアンの友人宅ででした。

何気なくササッと出してくれた野菜料理とともに、当たり前に並んだ玄米ごはん。特別でも何でもなく、劇的でも力んでもいない、そんな場面である日ふっと出会ってしまったのです。

食いしん坊でチャレンジ好きな私ですが、それでも当時は菜食や玄米に対して宗教的、医学的なイメージを持っていたので少し身構えました。

でもひと口食べた印象は「ごはんのおこげみたい・・」でした。それは私の大好きな味だったので、玄米の持つイメージを心地よく裏切ってくれたのでした。

玄米を食べはじめると、噛みしめてゆっくりと食事をするようになり、そのうえ生活でも物事にとらわれすぎない、ゆったりとした性格に変って行きました。

すると反対に感覚が敏感になり、料理では野菜に火がとおる時間や火から上げるタイミング、味付けをする頃合いなど細かい表情を感じとれるようになって来ました。

「今がおいしいぞ!」という食材からのサインがあるのです。

玄米というと和風のイメージになりがちですが、私はエスニックな味や香りの強い食材との組み合わせがとても好きです。個性の強いもの同士、そのサインを見逃さずにほんの少しの手間をかけてあげるのが、私の仕事だと思っています。

玄米は薬でもダイエット食でもありません。私が好んで玄米を食べているのは、ただ「おいしい」と思うからだけです。ひとつの食材として、白米と同じ位置つけで私のキッチンには並んでいます。時間がないときは白米を炊きますし、手抜きだっていっぱいします。

毎日玄米を食べよう!と力んで取りかかると逃げ場が無くなってしまって、せっかくの食事を楽しめなくなってしまいますから。

大事な人のためにつくる時でも、自分のためにつくる時でも、キッチンに立ったら五感をフルに使って、お料理を楽しんで欲しいと思います。玄米の炊けるにおいに「あー今日も生きてるんだなー」と感じられるかも知れませんよ。

鈴木真弓(ブログはこちらから